Interview vol.2 吉田すみれ/すみれ農園 園主


農業や田舎暮らしの魅力をクリエイティブに伝えたい。


農業や神楽などの地域文化を通じて、すみれさんが合馬から発信していきたいことは何ですか?

 仲間を増やしていきたいですね。農業や田舎暮らしに興味を持っている若い人も増えつつあるし、そうした入り口や受け皿になれれば。合馬の四季の景色を維持し、文化や伝統、神楽などを継承していける人を育てていく環境づくりもしていきたい。

 『すみれ農園』を通じて、オーガニックな食や農業に興味を持ったという大学生や子育て世代のママさんなども、最近は手伝いに来てくれます。中には動物や自然保護への意識の高い高校生が、SNSで調べて「自然を護るために生きていきたいから、そのための活動をしているすみれさんのお手伝いがしたいです!」と来てくれたりするんですよ!レベル高いですよね。

 今後は獣害対策など狩猟の分野でも、自然の生態バランス〜命の循環につながるものづくりや活動をつなげていきたいと思っています。

すみれさんの作る野菜がメッセンジャーとなってどんどん広がっていきますね。他にも、農とアーティストとをむすぶ活動もされているとか。

 合馬の魅力を知ってもらう発信のひとつとして、2021年からマルシェ、アートやスケートボードなどのカルチャーをフィチャーした『omameeting』というイベントの企画運営のお手伝いをしています。

 私たちが日常にしていることや景色が、アーティストには創作のきっかけになったり、地元の目では見えていなかった魅力を見いだしてくれる才能があると思うんです。その作品を観てさらに地元愛が強くなるだろうし、今までの視点とは違う感覚で地元を楽しめるようになったらと思うと、ワクワクします!

 私が農業を始めるきっかけにもなった合馬の風景と豊かさを、四季を通じてぜひみなさんに体感してほしいです。


●子供の頃のまなざしと一心さを失うことなく、都会での生活で得た“栄養素”を生まれ育ったテロワール(土壌)に活かし、のびのびすくすくと枝葉をひろげ、夢を育む日々。「ノリと勢いで生きている」と語る屈託のない笑顔は、まさに自然育ち。春夏秋冬の巡りが大自然の理(ことわり)として、人々の暮らしや農耕生活の根となっていることを伝え、天に祈る神楽もまた、彼女のその生命力をもてば、さらなる未来へと延命叶うことでしょう。

(聞き手 浅井信好/取材・文 岩田舞海)

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